2012年4月17日火曜日

HANDMADE electron TUBE TEST CIRCUIT

  オーディオ出力真空管試験器・装置の工作



真空管オーディオシステムで アンプ作製・改修作業において 真空管単体の特性を調査するために作成しました。道楽で古典的真空管アンプシステムを現役でも稼働できるようにメインテナンスに必要な電力出力真空管試験器・装置を作成しました。無銭庵 仙人 と申します。個人的な解釈により過去の経験、記憶をもとに記載しています。誤記載、誤解釈が多々あると思いますが ご勘弁を。      m(_ _)m

ブログ巻末には 所有しています 下記 真空管姿写真・規格表を記載しました。


2A3  6550  6550A  6CA7/EL34  6GB8  R120  6AS7G  6080  6082  WE421A  5998  5998A  6F6  6F6G  6Y6G  6G6G  6V6  6V6GTY等 6CK4  50CA10  6CW5  6BQ5  6RA2  6RA3  6EW7  6S4A  6AQ5  6AR5

又 掲載内容を参考として 真空管アンプ作成・修復の手助けとなれば幸いです。 (-. -)y- ~~~


自作 真空管試験器 完成姿写真


電力増幅真空管動作状況測定


                                                   シャーシー寸法   w 310 × d 200 × h 70. アルミ板 1.5t
真空管試験機完成

今回アルミシャーシーの塗装については Altec,YORK冷凍機制御盤風の薄緑色のラッカーペイントにて塗装しました。トランス類は黒色つや消ラッカーペイントで塗装。

前面パネル左端より 

前面パネル

電源スィッチ ・ 豆球によるパイロットランプ ・ BNC入力端子(RCA変換プラグ付) ・ 入力レベル調整ツマミ ・ NFB2段階切り替えとNFB切りスィッチ ・ 8P USソケット測定端子(USプラグ端子板アダプター付)


後面パネル左端より


後面パネル
スピーカー接続出力端子左端より 0Ω、4Ω、8Ω、16Ω ・ FUSEホルダー 1.5Aフューズ実装 ・ ACアウトレット(常時出力AC100V出力コンセント) ・ AC入力コネクター(接地端子付)



DELICA DYNAMIC Gm TUBE TESTER MODEL 1001 について


2A3の試験中 あまり良くない良品を表示

所有しております三田無線研究所製国産の真空管Gmチェッカーです。製造シリアル番号から判断すると 1965年7月製造2号機 と読み取れます。45年以上前に製造された真空管チェッカーです。製造された時代は 真空管式白黒テレビ、真空管式ラジオ・アンサンブルステレオなどが全盛の時代です。当時消耗品であった真空管の良否を簡単に確認できる真空管試験器として製造されました。当時のアメリカではスーパーで真空管が販売されており 必ず真空管チェッカーが売り場には設置されているとのことです。
当時は多種類真空管の良否を試験するために3段階の表示方法をとっています。赤色でREPLACE   ?   緑色でGOOD 指針がどの位置にあるかで真空管の良否を判定する試験器です。? マークは近々不良になるとかも知れないゾーンとして表示されます。
Gmを直読する設定もありますが 表示されます Gm値 は試験器での動作電圧における 測定値 であり 真空管規格表に明記された Gm値 とは異なります。
実際の真空管においては供給する電圧により 真空管の3定数は変化します。ゆえにこの真空管試験器は 規格表の表示を表すものではなく 試験器に添付されている 標準値DATAとを比較することになります。2A3 を例に比較しますと RCA真空管規格表では Gm 5250 μmhos  1001試験器では Gm 3000 μmhos と記載されており数値が異なります。

自作アダプターを使って試験中の複合管 50BM8

自作真空管試験器が必要となった理由はこれにあります。特にAB1級固定バイアス・プッシュプル増幅回路では真空管を選別する必要があります。A級シングルカソードバイアス増幅回路であればラフに真空管選択は可能です。ある程度の良否判断はGmチェッカーにて判断できますが 電力増幅出力管になると プッシュプル回路の場合は特性の揃った真空管を使用しませんと 出力電力値、歪率に大きな違いが発生します。ラフなバラ付きは Gm測定値で判別は可能ですが 詳細については実働試験をする必要があったため 真空管試験器作成を決意しました。
実働試験ですのでグリッドには1000Hz正弦波信号を入力します。自動的に特性グラフ上のΔeg となり正弦波が入力可変電圧であlり スイープ電圧として働きます。ゆえに歪の少ない大きな電圧を増幅するドライブ回路が必要となります。

この1001型Gmチェッカーはグリッドにバイアス負電圧と 商用電源の交流信号を真空管に入力して 実働状態(相互コンダクタンス値)をメーター表示により表示します。開発製造当時に存在しておりました真空管はもちろん測定できますが 新規製造された真空管では複合管などが数多く製造され スイッチマトリクスでは対応できない真空管も発生します。その場合は 別付けのアダプターを使用して測定することになります。当時は時々三田無線研究所より  NEW DATA として資料が送付されておりました。 随時データーシートに綴じ込んでおります。

別付けのアダプターは正規添付品とは違っています。昔保管中に倉庫整理で紛失しました。半導体主流の時代では物の価値の知らない人物であれば粗大ゴミ扱いです。
使い勝手が悪いため同等の自作アダプターを作成しました。測定する真空管のソケットとしては US,7MT,9MT,コンパクトロン 各真空管ソケットを実装しました。マグノーバル管、その他特殊管などのソケット形状はオーディオ用管種が少なく考慮しておりません。
自作アダプターでは 端子番号と各ソケットの端子の番号を合わせた並列接続となっています。使用方法も取説の使い方と同じとなるように USプラグでの配線を合せました。添付アダプターでは端子番号の選択には バナナプラグ仕様でしたが 自作アダプターは端子台接続として プラス・ドライバーを使い配線変更します。
測定で使用する配線は フィラメント・ヒーター(青・灰)1組  プレート(赤)  スクリーングリッド(桃)  コントロールグリッド(黄)  カソード(緑)  各配線接続とします。又サプレッサーグリッド(G3)については5極菅接続時にはカソード電位となりますので カソード(緑)リード線と並列接続して測定します。
トッププレート真空管での接続は プレート接続リードを端子台に接続せず 直接プレートキャップに取り付けます。

ブラウン管(CRT)測定用アダプターもありましたが 白黒テレビ用ブラウン管アダプターであり動作原理説明書も含め同時期に紛失しております。現在保有しておりません。

コピー TV-7D/U チャート

ブログ末尾に  Gm TUBE TESTER MODEL 1001 の 添付されていた 使用説明書及び DATAの一部を掲載しています。興味のある方は閲覧してください。米国軍用のTV-7D/Uのように英文ではなく 日本語で記載されていますので 理解しやすいと思います。以前TV-7D/Uを所有していましたが道楽仲間の知人に譲り保有していません。修理に必要な借用したマニュアルでは軍用の英文で記載されたもので 翻訳と動作原理の理解に苦労しました。現在ではDATAシートの汚いコピーしか残っていません。
取扱説明も英文で記載されており 測定方法についても説明されていますが翻訳に手間取り大変です。














電力出力管特性把握

真空管動作試験装置が必要となった理由として上記 真空管gmチェッカー DELICA MODEL 1001型 を所有していますが 詳細の電力増幅真空管動作状況は TUBE TESTER 1001では把握できません。電圧増幅管など通常の真空管テストは真空管チェッカーで gm を数値で表示しますが 実際回路を組んで動作しますと 真空管のバラツキにより 思い通りの動作状況となりません。特に電力増幅真空管は顕著に現れますので 真空管規格表の記載内容を実験するために作成しました。又真空管エミゲン状況把握が可能です。

真空管は古典的なデバイスであり 現在においては真空管大量消費時代と違い 数多く購入することができません。現在旧共産圏の国においては品種は少ないですが製造され輸入されています。道楽で過去から収集しました真空管を選別した上で回路を設計及び修復しなければならないと思います。

真空管試験器の必要性


作成した真空管試験機とDELICA 1001型

今回ジャンクボックスをひっくり返し費用をかけずに作成しました。シャーシーも制御BOX用を流用加工しました。コの字型のアルミ・シャシー(1.5t)をL型アングル(3t)で補強した上での自作です。ほとんどの部品はセコハン部品を調達して作成。真空管試験器・装置とな名付けましたが 内容としては 真空管モノラルアンプの作成となっています。多種類の電力増幅出力管の動作状況が把握できるような装置構造となるように設計しました。

回路構成としては小生のアンプ設計の好みから 三極管、多極管の三極管接続を測定調査することを目標に作成しました。

特に LUX SQ38FD 改修・蘇生作業において 特性の揃った真空管を選別する事が必要となりました。今回A級増幅回路を見直し設計組み立ました。真空管の動作状況の測定において各部の電圧・電流値の測定が簡単となるように工夫しています。SQ38FD 修復に使用しました NEC 50C-A10 及び出力管を変更した 6C-A7/EL34  の特性を調べるのに大活躍しました。A級増幅回路での外付け測定機器による最大電力の測定、歪率の測定、残留雑音の測定を 擬似負荷、歪率計、オシロスコープ、ミリバルを接続して測定データーを記録します。この結果を元に真空管を選別します。

まな板の上に組み立てた旧電力出力真空管試験装置

50C-A10は新品の真空管がほとんど市場には流通していません。現有の真空管または中古管を用いて修復しなければなりません。特性のそろった真空管を選別しますが ビーム管構造の真空管特性は元々ばらつきが多い真空管です。ペアリング選別をしてもDCバランスは完全に取れません。同じグリッド電圧とはなりません。DCバランスVRはセンター位置とはならず 偏った場合がほとんどです。何とかアイドリング電流値は正規電流値には調整できますが 50C-A10 は当初よりカラーテレビ用水平出力管と同様にばらつきの多い真空管です。
代替え真空管として 6CA7/EL34 を使った場合はペアリング作業で特性が一致し DCバランスVRもセンター位置でほぼ調整ができました。今後50C-A10を使って修復する場合には 数多くの問題が潜んでいると思います。

米軍の真空管チェッカーTV-7D/U 国産 DELICA 1001 などは 真空管製造後期の 50C-A10 測定チャートおよび 真空管ソケット・コンパクトロン用は装備されていません。真空管選別作業において実働試験できるこの真空管試験機が必要となったわけです。

LUX SQ38FD 改修・修復 作業内容については luxsq38fd.blogspot.com を参照ください。

以前は真空管の動作チェックをするのに まな板の上にバラック構造で回路を組み立てた試験器・装置を作成し 調査・測定・選別していましたが 今回リニューアルするために見栄えも必要と思い手持の部品とジャンクボックスをひっくり返し作成しました。新規購入部品はほとんどありません。

基本的な仕様としては 50C-A10 コンパクトロン管 ・  2A3,45 などの UXソケットの2.5Vヒーター管 ・ 6C-A7/EL-34,6550,6V6,6F6 ,などソケットがUSソケット8ピン仕様でBase Connection が 7S,7AC 接続の真空管が三極管接続 ・ MT管9ピンの 6B-Q5,6CW5 7ピン 6A-Q5,6A-R5 などが同じく三極管接続として試験できる仕様としました。若干の配線変更すれば出力トランスに SG タップがありますので UL接続 としても測定・試験が可能です。

USソケット整流管 5Y3-GT   5Y3WGTA   5Y3WGTB/6087

手持ちの部品を総動員して手垢にまみれたセコハン物を選別して使用しています。基本的な回路構成はシングルアウトプットトランス LUX SS5B 2.5 が余剰となっていましたので この出力トランスをベースに工作します。この出力トランスは以前 2A3 シングルステレオアンプ作成時に予備部品として昔購入した出力トランスです。
以前販売されていた出力トランスで組み立てる場合では 新タンゴISO FE-12S が最適と思います。ユニバーサルタイプのトランスで使い勝手が良好です。その新タンゴ ISOも廃業されました。2A3シングル用出力トランスを物色するしかありません。シングル増幅アンプ・モノラル仕様となりますので 真空管規格表を参考にすると ほとんどの真空管は A級増幅回路の場合 カソードバイアス回路で動作特性が記載されています。プレートとカソード間の電圧は250Vを基準として表記されています。A級増幅回路ですので消費電流変化が少なく 電源のレギュレーションはあまり問題とはなりません。2A3ロフチン・ホワイトアンプ などのドライブ段と出力段とが直結動作の場合には 必然的にB電源電圧が高くなります。多少の回路変更作業で試験できるように工夫しました。

電源回路の設計・選別


USソケット整流管  5V4GA   5CG4   5AR4

セコハンの電源トランスですが 山水 P-42B を使用し工作しました。取り付けネジが ISOネジ ではなく 旧JISネジ の古い仕様となっています。 今回艶消しラッカースプレーを使用してお化粧直しをしました。

P-42B 仕様

一次巻線(P)          0-100-110V
二次巻線(S)           350-280-0-280-350V 100mA
                            0-6.3V 3A  0-5V 3A
  0-CT-2.5-6.3V 3A-1.5A

平滑回路のチョークコイルは同じくセコハンの SEL製 C-520 5H 200mA をお化粧直ししました。

コンデンサーインプトπ型平滑回路初段のコンデンサーは 電源トランスの仕様により 直熱型の整流管を使用しますとスタート時無負荷状態の時には 最大 DC500V が発生します。その結果高耐圧の 8μF を初段に採用しました。特に古い設計の整流管を使用する場合は大容量の電解コンデンサーは整流管を痛めますので使用は控えなければなりません。一応10μFを超えない値としました。

電源回路構成と整流管(V4)


USソケット整流管   5V4G  5U4-G  5R4GY

モノラルシングルアンフですので B電源電流値が 最大100mAあれば ほとんどのシングル動作出力管において余裕があります。必然的にB電源整流回路は 両波整流管を使用します。UXソケットの真空管ですと整流管品種が少なく 今回は USソケット の両波整流管で設計しました。真空管を選別することにより整流管の内部抵抗値の違いを利用して 適切なプレート電圧となるように 試験する電力増幅真空管種類により整流管も選別します。通常はB電源のタップ電圧は280Vタップを使用しますが バイアス電圧が高い レギュレーター管 6AS7-G・ロフチンホワイトアンプ などの試験をする時には 必然的にB電圧が高くなります。このような場合今回 280V,350V タップ変更する2ヶ所のタップは DC12Vlリレー を使って切り替します。特に今回選別するプッシュプル回路の出力管は約400V前後で動作しますので350Vタップを使い実働状態に近い電圧で実働試験をします。

USソケット整流管は品種が多くその中でも古くからありました ST管 UX-80 は 外形とソケット形状が変更されていますが 特性が同じGT管は 5Y3-GTです。整流管の内部抵抗値が大きく 又真空管での電圧降下も大きくなります。このUSソケット型で一番内部抵抗値が低く大電流が取り出せる整流管は 5A-R4 /GZ34 ハイパービアンス管 です。試験する出力管の品種により適切なプレート電圧となるように整流管を選別して実働試験をします。

USソケット整流管  5T4  5U4GB  5R4WGB

整流管は直熱管のフィラメント搭載管と傍熱ヒーターによるカソードが電極として使用されているタイプに分けることができます。

今回古い仕様の直熱型整流管を使用する可能性がありますのでコンデンサーインプット整流回路でのフィルター、コンデンサー容量は10μFを超えない容量値とします。

実機には電解コンデンサーではなく 高耐圧MPコンデンサーで 8μF 500WV AC 耐圧を使用します。DCに換算すると耐圧は1KV以上のMPコンデンサーです。(金属化紙・メタライズドペーパーコンデンサー)
チョークコイルと直列に 1.1KΩ10W型 のホーロー抵抗を挿入しています。抵抗器に並列にスイッチが取り付けられており スイッチ操作で抵抗器を回路に直列に挿入又は短絡となり 試験する回路電圧のB電源電圧調整をします。チョークコイル出力部のπ型フィルターの電解コンデンサーは 47μF 500WV を使用して B1出力源となります。接続箇所は 出力トランス B端子 と前段増幅回路のB2電源として抵抗器(8.2KΩ 2W)が接続されます。

ヒーター配線


電源トランス・整流回路付近詳細写真


ヒーター電源回路は電源トランスの仕様により ヒーター巻線が3種類搭載されています。
整流管回路は 5V-3A の巻線を使用します。 5U4GBなどヒーター電流値が 3A タイプでも使用可能です。

電力増幅管のヒーター回路は 2.5V6.3Vが直列に巻かれたヒーター巻線を使用します。US,7MT,9MT各電力増幅管ソケットに並列に接続します。2A3などの配線は2.5V巻線をUXソケットに接続します。2.5V巻線のCTタップからカソードバイアス回路に配線しますが UXソケットの試験をしない時にはCT端子の配線はアース母線に接地します。この作業によりヒーター回路は接地されます。巻線は6.3Vとして使用する場合は電流容量が1.5Aですが 6550・KT-88 など1.8A容量のヒーターには容量不足となりますが 長時間使用することが少なく 試験程度と思われますので使用可能と判断しました。300Bなどの5V出力管を試験する場合は外付のヒータートランスで 5Vを供給すれば試験が可能です。補助ヒータートランスとしては ノグチトランス販売 PM-H1を使用することをおすすめします、2.5V-3A 巻線が2組巻かれており 直列接続で 5V-3A のヒータートランスになります。CTタップとして中点を使用することができます。今回はスペースの関係上実装していませんが 必要なときには外付けトランスとして ヒーター電力を供給する予定です。

ノグチトランス PM-H1 補助電源 2.5V-3A×2

2.5V巻線にはセンタータップがあるため 巻線中点からのカソードバイアス回路に接続します。その結果ハムバランサー抵抗、VRは不用です。近頃のトランスには ヒーター巻線中間タップほとんど付加されていません。古いトランスにはセンタータップ付が多いのですが比較的近年に製造されたトランスではほとんど見かけません。

6.3V-3A巻線は前段の電圧増幅管に供給します。電圧増幅管は真空管増幅度の関係により 二段増幅回路と設計しました。試験する出力管種によりドライブ電圧が不足するためです。三極管一段増幅では小生のシステムと接続した場合ゲイン不足となります。小生の好みから初段増幅回路に五極管はあまり使いたくありません。6267 などの五極管は通常三極管接続としては使用します。初段は 12AU7  ドライバー段は 12AX7 にヒーター電源として 6.3V給電とします。どちらの真空管増幅回路は SRPP回路ですのでヒーター巻線には カソードヒーター間耐圧処理のため ヒーターバイアス電圧  DC60V 前後の電圧を供給します。真空管2本でヒーター消費電流は 0.6A となります。
余力のある6.3V.ヒーター電源は 6.3Vをダイオード2個と倍電圧平滑コンデンサーの容量値変更で出力電圧を調整します。100μF~200μFの電解コンデンサーを使用しますと その結果 全波倍電圧整流回路でDC12Vを得ることができます。パワートランス高圧巻線の出力タップ切り替えを DC12Vリレー を使って制御します。又通電表示のパイロットランプは昔ながらの豆電球を使い 20Ωの直列抵抗で電圧を落とし 通電表示ランプを点灯します。

各部パーツ取付状態

50C-A10 出力管のヒーター電源は直接商用電源電圧の100Vより供給します。真空管のヒーター電圧50Vですので ヒーター回路としては ダーミーの真空管を取り付け ヒーター回路とします。そのため コンパクトロンソケットは2個使用し ヒーター回路は直列接続となり 電源トランスの一次巻線100V端子と並列接続します。

両波整流管動作特性の把握

上図の整流管は小生所有している整流管写真を記載しました。ST型からGT型まで 差し替えができます。その結果整流管の種類による内部抵抗特性についても調査することが可能です。ただ最大負荷でも80mA程度ですので整流管特性目安程度ですが可能です。整流管の種類でどのくらいの出力電圧が得られるかが判明します。

加工図面

                   

電力増幅出力回路


出力管回路部の詳細


今回多品種の出力管の動作状況試験を実施するにあたり 試験する種類により真空管ソケットの形状が異なります。これに対応するために各種の真空管ソケットをシャーシーに取り付けします。

ソケットの種類として

6C-A7 など USソケット
2A3 など UXソケット
50CA-10 コンパクトロンソケット
6B-Q5 など MT 9ピンソケット
6A-Q5 など MT7ピンソケット

に対応した5種類の真空管ソケットを実装します。

基本的には2A3シングル増幅回路を組立ます。A級増幅回路でのバイアス回路は カソードバイアスを基本とします。Cバイアス回路は設計していません。異なる真空管種に対応できるようにカソード抵抗は大電力巻線可変抵抗器 2KΩを使用します。真空管により数100Ωから2KΩまで連続して可変することができます。500Ω以下のカソード抵抗値の場合は 2KΩ可変抵抗器に 666Ω15W型のホーロー抵抗器をスイッチにより並列接続します。又カソード抵抗値を正確に測定するため カソードバイパスコンデンサー 100μF/160WV 電解コンデンサーもスイッチ操作により回路から切り離せるようにしました。
完成内部配線状況

出力管ソケット端子切替作業


底板と配線変更用パンチングメタル


今回多種類の出力管を測定する回路であるため 各ソケットと回路の接続切り替えは スイッチ等を使用していません。回路内の浮遊容量等が特性上不利益と考えたためです。ちょっと面倒な操作となりますが手動で変更します。 測定する真空管のソケットピンに接続用端子棒を取り付けます。オス・メスのコネクターを使用します。ほとんどが三極管接続で試験する関係により 
P,プレート(赤) ・ G,グリッド(黄) ・ K,カソード(緑) 
自作 各ソケット接続コネクターの加工
3箇所の配線変更作業で数種類のソケット配線を変更します。GTソケットにおいてはほとんどの出力管は 7S・7AC の配線で動作しますので この配線に合致しない真空管についてはソケット配線は半田付作業により 配線変更する必要があります。


ソケット配線変更のためパンチングメタルを取り外し
コネクターを加工するにあたり 以前HP測定器基板から取り外したテストリードが接続できる測定端子(テストポイント・コネクター)を加工しています。オスの導電棒は VVFケーブル2mmの銅線を加工しエンパイヤチューブ、熱収縮チュブで絶縁加工しました。メスコネクターはファンストン端子の絶縁キャップのみを使用しています。写真の一番上段が加工した自作接続コネクターです。赤色ですのでプレート回路に使用します。左側の棒状のコネクターは各真空管ソケットピンに接続。右側のメスコネクターは出力トランスの P端子に接続します。メス型コネクター3個は P,G,K接続用本体側コネクターメス型です。


各種出力管ソケットには グリッドリーク抵抗 330KΩ 1/4W をグリッド端子とアース母線間に配線します。各ソケットには P,G,K接続用コネクターオス型の棒状がリード線 数10mmの長さで半田付けします。このコネクター接続変更作業により測定するソケットのみが動作します。

写真記載の構造で ソケット配線変更作業については 底板は分解しません。通風穴兼用のパンチングメタル止めねじ M3 ネジ一本の取りはずしで パンチングメタルの板が簡単に外れます。開穴部より ソケット接続コネクター配線変更作業が可能です。この作業により各ソケットの動作試験が実施できます。

通常であればコネクターなどは新規購入すれば簡単ですが 今回はジャンクボックスを探索してコネクターを工作しました。又電子パーツを販売しているお店も昔と違い少なくなりました。現在では工作のためのパーツ屋までの交通費、通販での送料などを考えると 諸経費出費も馬鹿になりません。

6C-A7についてはソケットの配置が 8EP となっており 7AC との違いは サプレッサーグリッド(G3) が単独で1ピンに配線が引き出されており 1ピンG3 と 8ピンK をソケットで短絡することにより同等として使用することができます。ただし メタル管は1ピンが金属ケースに接続されていますので管壁には動作時カソード電位となりますが 動作には支障がありません。

6080(6AS7G)系レギュレーター管の試験するときはヒーター端子の位置も違っており 又ヒーター電流も大きくなるため外部から ヒーター電力を供給する必要があります。(電源トランスの電流容量が6.3V-1.5Aしか無いため) 一時的には余力のある電圧増幅回路のヒーター電力を利用することができますが SRPP回路のヒーター電源ですので 約60Vヒーターバイアスが加わっていますので注意が必要です。

出力管動作状況測定端子

前面パネル右端に測定器(電圧計・回路計)を接続する測定テストポイントを設置してあります。USソケットを利用した測定端子プラグです。

USソケット測定端子プラグの仕様

BNC,RCA変換プラグ  US測定端子プラグ

測定端子のプラクは 不良品 5CG4 の真空管ソケットを加工しております。 ソケット内部に小型ラグ端子板を取り付け加工し 直径1mmの銅線で配線しています。

上部端子板
左端より ⑥・⑤・④・③

下部端子板
左端より ⑦・⑧・①・②

上記がUSソケットの端子番号となります。
① カソード電流測定端子 カソード抵抗とアース間に 10Ω 1/2W ±1% 誤差 の金属皮膜精密抵抗を取り付けます。10Ωの抵抗に発生した電圧を測定します。カソード電流が50mAの場合 0.5Vの電圧が発生しますので 測定電圧よりカソード電流を計測します。

② 6.3Vヒーター電力出力端子(片側) 電圧増幅管回路のヒーター電圧 6.3V出力端子となります。この端子とグランド端子間を測定すると電圧増幅管ヒーターバイアス電圧が測定できます。

③ 出力管カソード電圧測定端子 カソードバイアス可変抵抗器ホット側に接続してあります。この端子とグランド間で直流抵抗値が測定できます。ただし抵抗値測定する場合は 通常カソードバイパスコンデンサーが挿入されていますのでシャーシー上面にある コンデンサー入・切スイッチを操作しますと カソード抵抗値測定時にはバイパスコンデンサーをスイッチで回路から切り離します。

④ スクリーン・電圧・電流測定端子(マイナス) USソケットのみに接続します。出力管USソケットの 3ピン・4ピン 間に 100Ω 1/2W ±1% 誤差 の金属皮膜精密抵抗を取り付けてありますので この100Ωに発生した電圧によりスクリーン電流が測定できます。抵抗器両端に 1V が測定できた場合スクリーン電流は10mAと測定できます。この電流値にスクリーン電圧値を掛け算すると スクリーン入力電力が計算できます。

⑤ プレート電圧測定端子 出力トランスプレート接続端子 P端子 に接続しております。USソケット使用時のみこの端子とスクリーン電圧測定端子間の電圧を測定することによりスクリーン電流が計測できます。スクリーン電流測定端子(プラス)

⑥ B電源供給電圧測定端子 整流管からの π型フィルターを通過したリップルの少ないB1電源回路に接続してあります。この端子とプレート電圧接続端子間の電圧を測定することにより出力トランス一次側巻き線での電圧降下が測定できます。発生した電圧により出力トランス一次側の直流抵抗値が計測できます。出力トランスの B端子 に接続します。

⑦ 6.3Vヒーター電力出力端子(片側) 電圧増幅管回路のヒーター電圧 6.3V出力端子となります。2ピンと対です。

⑧ グラント(接地)端子 回路のアース母線に接続します。(マイナス端子)
..
自作 測定プローブ

通常の機器であれば回路計(テスター)を使って各部の電圧を測定しますが 前面に必要なテストポイントをUSソケットに配線してありますので 測定端子に複数台の回路計を接続した場合 同時に各部の状況が測定できます。測定端子台の端子において ⑤、⑥ピンには配線途中に1KΩ1/4W型の抵抗器を挿入してあります。端子間誤接続・測定時短絡事故の場合は抵抗器を焼損するような使い方です。1KΩ挿入による測定損失及び測定誤差はほとんど発生しません。出力トランスの一次側巻線抵抗値測定の場合は2KΩが加算されます。
前面に高電圧が露出しておりますので 測定の時には感電事故の無いように注意を要します。
又通常のモノラルアンプて使用する場合には 感電事故防止の為 測定端子プラグを取り外して使用又は端子絶縁カバーを取り付けします。

通常接続する測定機器は YEW3201回路計(DC 100KΩ/ V)又はデジタル回路計を接続し測定します。各使用する測定器においては 随時 0.5級の精密測定器で自己校正を実施したものを使用します。(測定器校正作業については musenan04.blogspot.com  参照)
テストリード線についても 作業性・安全性向上のため オシロスコープ・プローブと同じフックがついたものを複数組作成して運用。
装置内での測定の場合 テスターリードと部品のタッチによる測定事故が発生しますが 測定端子が取り出してあるため測定事故の確率が低下します。

配線図です


入力増幅(V1)・ドライブ増幅(V2)回路

今回電力増幅管の動作状況を測定・調査するために 前段の増幅回路はドライブ電圧が大きく 歪の少ない回路として設計しました。バイアスの深い出力管を試験するために必要と思います。
以前工作しました 2A3 シングル ロフチン、ホワイトアンプ ・ WE-421A 単管ステレオアンプ のドライブ段を参考としました。WE-421A のアンプはバイアスが浅いためなんとか SRPP 増幅回路一段で動作しております。通常の増幅回路と違い 今回も出力インピーダンスの低い SRPP増幅回路を導入しました。上記に記載した理由により 五極管の増幅回路は個人的な思考により採用しません。三極管一段増幅回路ですと大きな増幅度は期待できません。利得を得るために SRPP増幅回路 2段増幅となりました。

初期のバラック状態 試験台

初段はあまりゲインが必要で無いため ロー μ の真空管 12AU7 を採用しました。通常であれば 6DJ8,6AQ8,6267三極管接続 を 採用しますが 利得が大きくなるため今回は採用していません。

ドライバー段(V2)は ハイ μ の 12AX7 を採用しております。同じく SRPP回路で 作成したアンプでの実績があります。ほとんどのゲインを ドライバー段で稼ぎます。

初段(V1) 12AU7 のカソード抵抗は 1KΩ 1/4W  を各ユニットに使用。カソードバイパスコンデンサーは 100μF/16WV を使用します。NFB入力端子とするためカソード抵抗とアース間に 100Ω1/4W を取り付けます。

ドライバー段(V2) 12AX7 のカソード抵抗は 3.3KΩ 1/4W  を各ユニットに使用。カソードバイパスコンデンサーは 100μF/16WV を使用します。段間カップリングコンデンサーは フィルムコンテ゜ンサー 0.01~0.047μF 400WV を採用。2段目のグリッドリーク抵抗は 510KΩ1/4W を使用。ドライバー段と出力管のカップリングコンデンサーはフィルムコンデンサー0.1μF/400WV
の回路構成です。G(黄)コネクターまでの配線はソケットまでの長さが長く飛び込み防止の為シールド線を使用します。外皮は片側アースとします。

今回使用しました出力トランスは NFB巻線が単独で巻かれており トランスの巻線でNFB位相が簡単に変換できます。 NFB抵抗は 10KΩと22KΩが NFB切り替えスイッチで選択でき 又NFBをかけずに 無帰還アンプとして動作確認することができます。

入力端子は 小生の測定機器・配線の関係により BNCコネクター仕様としています。通常の音楽入力テストの時には BNC,RCA変換プラグを BNCコネクターに取り付け使用します。入力ゲイン調整は 100KΩA型のVRを使用します。 

電圧増幅段での失敗
ほとんどがセコハンの部品を使用しているため 電力増幅管のカップリングコンデンサー容量値を 0.33μF にしました。π型フィルターコンデンサーを 22μF の時に 0.7sec ~ 0.9sec の超低域発振(モーターボディング)が発生。330μFの電解コンデンサーを追加すると正常となります。SRPP出力インピーダンスが低いと判断した結果 増幅段の時定数スタガ比を無視したための症状です。最終的にはスタガ比を見直しました。初段との結合コンデンサーは 0.01μF 出力段との結合コンデンサー容量値を 0.1μF としました。π型フィルターコンデンサーは 22μF から 100μF/400WV に変更し 安定した増幅回路となりました。0.1μFフィルムコンデンサーは使用頻度が多く手持ちガなかったため 安易に大きな容量値を使ったための失敗でした。フィルター回路の時定数も考えなければなりません。

出力真空管動作試験・測定

今回は複数手持ちの 2A3 を リニューアル作成しました真空管試験器を使って 実働試験・測定を実施しました。

以前 2A3.p-p インプットトランスドライブアンプを作成した時に 複数の 2A3 を真空管販売業者より機器抜き取り管を をまとめ買いした真空管を使用して アンプを作成しました。カソードバイアス回路で出力としては10W強となるはずでしたが 完成後の調整をしてもバランスが悪く 出力が思った値になりません。インプットトランスドライブで周波数特性は悪かったです。作成前には 真空管gmテスター DELICA 1001型を使い 各真空管のgmを測定して選別しましたが 最悪の上記の結果となりました。制作当時に 真空管gmテスターの動作原理、表示されたgm値での判断及び使用方法を熟知していなかったための原因かもしれません。 その後 EH  2A3GOLD のペアチューブを4本購入し 入力トランスを取り止め アルテック型のドライバー回路を導入して 周波数特性も良くなり出力も改善されました。

回路図

以前作成したアンプが思うような動作をしないため 真空管試験器で 各真空管の実働試験を実施して 特性を見極めませんと中古管などを使ったアンプでは失敗します。
過去の失敗から 今回簡単に操作ができる真空管試験器が必要となり まな板からリニューアルしたわけです。以前失敗した原因は各真空管の特性が詳細に把握できず チェッカーの数値を信用した結果でした。スタティックな動作状況数値だけでは真空管の素顔は見えません。静特性だけでなく 動特性も調査する必要があります。
現在入手できるペアチューブなどは 販売店で選別して測定データーが真空管毎に記載されて販売されます。真空管全盛期には製造メーカーから選別した特性の揃ったペアチューブがありましたが 現在では業者、商社サイドにて選別された ペアチューブが販売されています。表示から推察すると静特性での動作数値表記では と思われます。業者により動特性の表示もありました。

EH 2A3 GOLD ペアチューブ  一枚プレート構造真空管の例 

購入時外箱に記載されていたDATA    61mA/  5.3mA/V   ・  63mA/  5.3mA/V   ただし測定されたプレート電圧の表示はされていません。2A3の規格から DC250Vと推察しました。

  gm  = Δip  / Δeg  の公式より 上記ペアチューブの gmを求めてみますと

gm = 0.0053/1 = 5300μmhos  と計算できます。

2A3 の相互コンダクタンス・gm値は 5250μmhos とRCA真空管規格表に記載されており 真空管は正常です。この時点でのプレート電流値が 61mAと63mA であり ペアチューブですので大きなバラツキはありません。

グリッド電圧が 1V 変化したときに プレート電流が 5.3mA 変化ですから公式に代入して 相互コンダクタンスの値が得られます。又 μ=gm・rp の公式を使えば真空管の3定数を計算することが出来ます。

真空管規格表に表示されています 相互コンダクタンスの測定においては 今回作成しました試験機ではグリッド電圧を変化することが出来ません。カソードバイアスです。従来から存在します真空管試験機を使いグリッド電圧が可変できる測定器を使用します。グリッドバイアス電圧を変化させてプレート電流の変化を測定する測定器が該当します。
今回作成しました真空管試験機はグリッド電圧は可変することがきません。入力される正弦波信号が可変グリッド電圧として試験機は動作します。



真空管試験機の測定準備


真空管試験機への測定器接続

真空管試験器のフロントパネルには 測定に必要なテストポイントが取り出してあります。
測定するポイントは

① カソード電流測定 アナログ回路計はDC1.2V又はデジタル回路計のDCレンジ

② カソード電圧測定 アナログ回路計はDC120V又はデジタル回路計はDCレンジ

③ プレート-カソード間DC電圧測定 アナログ回路計はDC300V又はデジタル回路計はDCレンジ


シバソク AH979G 複合型 オーディオジェネレーター・歪率計・ミリバル
④ B電源電圧測定 アナログ回路計はDC1200V 又はデジタル回路計はDCレンジ
デジタルマルチメーターは機種によりDC300V 以上の測定ができないタイプもありますので 測定に際しては回路計のスペックを確認する必要があります。

上記のように4箇所の電圧・電流を測定します。カソード電流については 10Ωの精密抵抗に発生した電圧値を電流値に換算して測定結果を得ます。
測定用回路計とテストポイントの接続リードは 自作フック付きプローブを使用して配線します。
今回作成しました真空管試験器の長所は カソード抵抗値が連続して調整できるため カソード電流が測定値の基準電流値になるようにVRを可変します。簡単に電流値を調整することができます。
オーディオ用疑似負荷(ダミーロード)
又カソード電圧とカソード電流が測定により判明しておりますのでカソード抵抗値は オームの法則で簡単に計算できます。測定後電源を切った状態で カソードバイパスコンデンサーを回路から切り離して回路計で抵抗値を測定しましたが 計算値と大きな誤差はありませんでした。
通常のよくある真空管試験器はグリッドバイアス電圧を可変してプレート電流を調整しますがこの測定機はより安全な回路で カソード抵抗値を変化させる構造です。又信号を入力して他の測定器でデーター収集及びスピーカーから音を出し 実働状態が確認できるのが特徴です。


出力トランスの端子には 0-16Ω端子から 擬似負荷抵抗器に接続し インピーダンスは16Ωに設定します。擬似負荷抵抗器には 歪率計が接続してありますので 動作状況を確認します。歪率計と並列に ACミリボルトメーターも並列接続されており 擬似負荷抵抗器の電圧を測定します。歪率計にもAC電圧計が取り付けられておりますが 感度が悪く別付け 1mVフルスケールのミリバルが接続されます。通常の歪率測定では高感度ミリバルは必要が無いのですが mVの残留雑音測定に使用します。更に並列にオシロスコープを接続して 動作状況の波形を観測します。
オシロスコープでは最大出力の-10dB,又は-20dBの方形波信号により 100Hz,1KHz,10KHz の方形波形を観測してアンプの周波数特性を把握します。
(写真では残留雑音レベルを測定 A補正無し 裸の数値を表示)



TRIO RESISTANCE ATTENUATOR MODEL RA-920
入力・出力インピーダンス 600Ω
 600Ω オーディオ ATT TRIO  RA-920

入力端子には オーディオ信号発振器(CR発振器)からの 正弦波 方形波をレベル調整後 BNC入力端子へ接続します。今回は簡単な波形のみの測定です。イコライザーなどの調整と違いますので600Ωオーディオアッテネーター(ATT)は使用していません。CR発振器に内蔵されているATTと可変抵抗器で出力電圧を調整します。又CR発振器出力端子には ミリバルを並列接続し CR発振器出力電圧を測定します。

上記写真は測定機器と真空管試験器との接続状況です。参考としてオーディオATTを記載します。
オーディオアッテネーターを使用しますと レベル調整が 0.1dBステップ毎に変化が可能です。



自作真空管アンプの測定において

道楽で真空管アンプの動作特性を調査・測定にあたり よく言われる 三種の神器 と呼ばれる測定器は準備されませんと測定は困難です。最低準備するものとして 正弦波・方形波を発生する 低周波発振器(CRオーディオジェネレーター)、波形観測のオシロスコープ(又はデジタルオシロ)、交流電圧計ミリバル(ACミリボルトメーター)が必要と言われています。それ以外に擬似負荷抵抗(ダミーロード)も必要です。ある程度オシロスコープの動作理解があれば 波形の尖頭値から 実効値に計算は可能ですが手間はかかります。オシロスコープは経年変化で測定誤差が大きくなる機種もあります。オシロスコープの精密校正を実施するためには内部構造の理解が必要であり難易度が高くなります。(メーカー校正に出すとびっくりする費用が請求されます) 測定前には簡易校正として機器に付属している CAL端子でのキャリブレーション作業が必要です。歪率計については市場に数が少なく機種により測定に技術が必要な機種もあります。総合オーディオアナライザーの購入となると高額出費となります。最初は三種の神器から揃えられ オシロスコープでの波形から歪率を確認されるのをおすすめします。真空管オーディオであれば安価な 10M 程度のオシロスコープで実用になります。多現象100M以上の高級オシロスコープですと調整箇所も複雑となり 操作も難しく波形を出すのに苦労します。消耗品的な測定プローブも高額となります。波形観測においても数多くの波形を観測しませんと正しい判断ができません。自分の技術力と懐具合から入門されるのが良いと思います。簡単な測定から初めてください。又測定機器は測定誤差を少なくするため 測定前には最低15~30分以上通電し 測定機器動作が安定してから実測してください。測定機器によりプリヒートが必要な機種も存在します。ADOVANTEST R6551 DEGITAL MULTIMETER は測定前には取扱説明書に1時間以上通電が必要と記載されています。

目黒 自動歪率計 MAK-6571A

シバソク製の歪率計、CR発振器とACミリボルトメーターが一体になっている測定器です。形式は AH979G ですが現在でも同等品 AH979H  受注生産品ですが販売されています。仕様等はシバソク・ホームページで確認ください。
任意の周波数で歪率測定が可能ですが CR発振部と歪率計は連動しており 測定周波数での 基本波を除去するための同調作業に技術が必要です。調整精度により測定値にばらつきが発生します。 目黒 MAK-6751A の歪率測定は 1000Hz400Hz のみですので測定による誤差は少なく 操作は簡単です。ゆえにAH979Gの測定作業は難易度が高くなります。発振器の周波数は 20Hz~200KHz 間の任意周波数がプリセットできます。発振周波数精度は TRIO AG-202A に比較して安定かつ正確です。歪率測定時には測定する信号の測定器入力レベルは規定値範囲内に調整しませんと正常な測定はできません。

AH979G とオシロスコープがあれば三種の神器以上の測定機器群となります。ただし正弦波しか出力できないため 方形波(単形波)信号は他機種を使用しなければなりません。

2A3 真空管規格表による DATA

真空管規格表には標準動作状態の数値が明記されています。今回例として 2A3を取り上げましたが 真空管規格表の数値を記載します。

プレート電圧 Ep 250V  グリッド電圧 Eg -45V  プレート電流 Ip 60mA  増幅率 μ4.2 負荷抵抗 2.5KΩ プレート抵抗 rp 800Ω 相互コンダクタンス gm 5250μmhos 出力 3.5W  歪率 5%


ミリバルとCRオシレーター

Ep-k 間電圧は規格表によると 250V と明記されていました。250V前後の電圧となるように整流管を選別します。今回は280Vタップで チョークコイルと直列に入る抵抗は短絡状態で挿入していません。整流管を変更すると管種により内部抵抗値が異なります。最適のプレート電圧とするため電圧調整作業で 整流管を選別使用します。今回は 5C-G4 を使用した場合 Ep-k DC250V となりました。

上記が規格表によるDATAです。 Ipは三極管の場合はグリッド電流がほとんど流れないため Ip = Ik となります。この数値から A級増幅カソードバイアス回路のカソード抵抗を計算しますと オームの法則により I = E/R を変形代入すると

R = E/I  = 45/0.06 = 750Ω  と計算されます。 カソードとグリッド間の電位差 45V が Eとなります。

カソードバイアス抵抗で消費される電力は W = I・E の公式に代入すると

W = I・E = 0.06・45 =  2.7W の電力が消費します。

カソード抵抗は電力容量ギリギリを使うことはなく実際に消費される電力の 2~3倍の電力容量の抵抗を使いますので 余裕のある 6W~10W型を使用します。抵抗器は温度て゜抵抗値が変化する特性です。
上記規格表による動作環境を この真空管試験器で作成して試験・測定します。


正弦波、方形波信号でのオシロスコープ観測波形


HP Oscilloscope 1202B

骨董品 OSCILLOSCOPE HP 1202B  スペック 100μV 500KHz (標準ラック仕様 3U)

垂直感度 100μV/DIV~20V/DIV   入力インピーダンス 1MΩ 48pF
水平走査時間 1μsec/DIV~5sec/DIV  MAG×10 0.1μsec /DIV
通称 10M(メガ) のオシロです。オーディオ機器測定用として最適な垂直感度が優れている高感度オシロスコープです。

DENON/デノン DL-103 (MC型ステレオカートリッジ/出力電圧:0.3mV)  のカートリッジ動作確認が可能です。10対1のプローブを使わず 直接垂直入力端子に接続した場合には カートリッジ出力が 0.3mV = 300μV ですので 大きな動作波形が観測できるほどの入力感度を有します。

各測定機器間の接続は BNCコネクター仕様とし 同軸ケーブルで配線接続してあります。いつでも電源を投入すれば測定・確認できるように測定機器システムを設置しています。

正弦波 1000Hz 歪率3%
                                       

1000Hz(1KHz) THD 3% の出力波形です。正弦波の波形は大きな歪は確認できません。
山の頭に歪みかけているのが観察できます。
この波形を小生は最大出力電力値としています。


正弦波 1000Hz歪率5%

1000Hz(1KHz) THD 5% の出力波形です。正弦波の波形は波形の先端が歪んでいるのが確認できます。上下波形先端の波形は違っています。
真空管規格表に記載されていました5%歪の出力波形です。
この歪み波形は奇数次高調波のエネルギーを持った波形です。

プッシュプル増幅回路は上下波形の先端での潰れ方が同じ波形となり偶数次高調波のエネルギーが主となります。

この波形がシングル増幅回路の特徴です。


正弦波 1000Hz 歪率10%

1000Hz(1KHz) THD 10% の出力波形です。正弦波の波形は波形の先端が大きく歪んでいるのが確認できます。この状態で通常の信号を出力しますと ざらついたような音となります。ここまで歪んだ場合はアンプとしての性能外となりますのでパワー不足の波形です。
ゆえに小生は耳障りとならないTHD 3%を 最大出力と自己判斷しています。



方形波 100Hz  NFB 6.8dB 抵抗10kΩ

100Hz NFBが 6.8dB の比較的軽いNFBでの低域特性が判明する波形です。方形波がのこぎりの刃の形をしています。入力波形は上下の波形が傾かず平坦な方形波信号ですが増幅回路を通過しますと図のような波形となります。低域の周波数特性が悪い証拠となります。
改善策としては出力トランスのコアボリュームの大きい最大出力電力値の大きい良質の出力トランスを選択する必要があります。シングルアウトプット出力トランスの場合は DC電流を巻線に重畳して動作しているため インダクタンス値を大きく取ることができません。


方形波 100Hz NO NFB
100Hz方形波波形はNFBを施さない 無帰還アンプの特性そのものです。古典アンプに見受けられる波形であり 低域の周波数特性が悪いアンプの波形です。特に一部マニアが提唱している 無帰還アンプの場合は より大きな出力トランスでないと低域までフラットなアンプは作成することができません。NFBを施すと周波数特性が改善され上図のようにのこぎりのような傾斜角度が平坦に近づきます。この波形をサグの波形と呼ばれます。
NFB回路の長所、短所を理解した上で適切なNFB回路は周波数特性の改善となります。
シングル出力トランスは プッシュプル出力トランスに比較して同じ電力値であればトランスの形状が大きくなります。

プッシュプル出力トランスの場合は巻線に直流電流が流れますが 電流の流れる方向は逆方向となり打ち消されますのでトランスの特性は良くなります。しかし真空管のアンバランスによるコアの磁気飽和による特性が悪化するため プッシュプルアンプでは出力管の電流値を同じにしなければなりません。そのためにも真空管が同じ特性となったペアチューブ又は選別管が必要なわけです。
プッシュプル回路では低域のサグ、こぎりの刃の形の波形は上下平坦に近くなります。シングルOPTでは低域特性は悪く 記載オシロ波形となります。


方形波 10KHz NFB 6.8dB 抵抗10KΩ

10kHz NFB 6.8dB を施した波形です。
下図の NFBを施さない波形との違いは
パルスの立ち上がりのなまり方が改善されています。
又高域特性も100KHz付近まで伸びており 特に大きな高域のピークは観察できません。大きなオーバーシュート・リンギング現象も観察できません。波形の上下平坦部に小さなリンギング波形が観察できますが 障害とはなりません。



方形波 10KHz NO NFB
10kHz方形波波形で NFBを施しておりません。パルス波形の立ち上がり、立下りの波形が丸みが帯びた波形です。高域特性が悪い波形です。特に無帰還アンプの場合は もっとひどい丸みが帯びた方形波とは違った正弦波崩れの波形も以前観察したことがあるアンプも存在します。今回使用した出力トランスは比較的高域特性が良質の出力トランスです。



               1000Hz NFB 6.8dB 抵抗10KΩ

1000Hz NFB 6.8dBを施した波形で 入力方形波信号が正常に変形されず増幅された波形です。通常100Hz,10KHzの波形がこの信号波形になれば非常に優秀な出力トランスです。通常トランスの特性により 低域サグ、高域リンギング、オーバーシュートなどで波形が崩れます。

適度なNFBを使用することにより 周波数特性が改善され 又ダンピング特性も良好となります。
小生アンプ作成の信念として 無帰還アンプはほとんど作成しません。 直線性の良い三極管を多用します。軽いNFBを使う回路設計が基本です。今回の測定では NFB回路の負帰還抵抗 22KΩで4.0dB、10KΩでは 6.8dBの 負帰還量の値となりました。


NFB回路については様々な解釈があり 強度のNFBを施し 特性を追求した ウイリアムソンアンプなどが代表です。20dB近くのNFBをかけますが 位相補正回路など測定機器が無いと安定したNFBがかけられません。使用する真空管、出力トランスの種類の組み合わせにより 特性は変化します。ゆえに強度のNFB回路は難易度が高くなります。
軽いNFB回路では 位相補正回路の必要はありません。抵抗1本で済みます。出力トランスに専用NFB巻線がついていますと 回路は簡単となります。ドライブ段の段数による位相逆転の場合でも NFB巻線の位相変換だけで対処できます。
小生の設計理念として 直線性の良い三極管、多極管の三極管接続アンプを作成します。無帰還アンプを推奨される先輩方も見受けられますが 古典デバイスである真空管回路はもともと特性が悪いデバイスです。その中でも比較的特性の良い三極管に軽いNFBを施すのが小生のやり方です。NFBは薬と同じで使用方法を間違えると毒となり 大変なことになります。 良薬は口に苦し のことわざのように 適切な使いかたが必要です。裸特性が悪くとも NFBにより改善されて ご利益があります。
もともと半導体デバイスも特性が悪く 殆どの動作回路にはNFBが施された回路構成です。高級な半導体アンプになればなるほど素直なアンプです。違う見方をすれば個性の無い素直なアンプとも取れます。真空管アンプは個性(アク)があります。良い悪いは個人の感覚ですので自己判斷してください。どこかの教祖のような押し付けはしません。


2A3 測定データー

検体に測定番号を付加して表示します、表示は 製造メーカー プレート・カソード間の電圧(Ep-k)  カソード電圧(Ek) カソード電流(Ik=Ip) 16Ω負荷の出力電圧 歪率3%時の出力 を表示します。測定条件としてカソード電流値を 60mA となるように 2KΩの可変抵抗器を調整します。

① RCA   Ep-k 250V  Ek 47.2V Ik 60mA   OUT 7.0V  Pw 3.1W  (Rk 786.6Ω)

②  GE     Ep-k 250V  Ek 43.5V Ik 60mA   OUT 7.0V  Pw 3.1W  (Rk 725.6Ω)

③  RCA   Ep-k 250V  Ek 47.2V Ik 60mA   OUT 6.9V  Pw 3.0W  (Rk 786.6Ω)

④  RCA   Ep-k 250V  Ek 45.4V Ik 60mA   OUT 7.0V  Pw 3.1W  (Rk 773.3Ω)

⑤  RCA   Ep-k 250V  Ek 46.4V Ik 60mA   OUT 6.0V  Pw 2.3W  (Rk 773.3Ω)

⑥  RCA   Ep-k 250V  Ek 43.4V Ik 60mA   OUT 7.0V  Pw 3.1W  (Rk 723.3Ω)

⑦  RCA   Ep-k 250V  Ek 45.9V Ik 60mA   OUT 7.2V  Pw 3.2W  (Rk 765.0Ω)

⑧  SIL     Ep-k 250V  Ek 44.7V Ik 60mA   OUT 3.6V  Pw 0.8W  (Rk 745.0Ω)

⑨  KEN    Ep-k 250V  Ek 45.2V Ik 60mA   OUT 2.3V  Pw 0.3W  (Rk 753.3Ω)

⑩  TEN    Ep-k 250V  Ek 45.9V Ik 60mA   OUT 7.0V  Pw 3.1W  (Rk 765.6Ω)

上記 Rk は Ek からの計算値であるカソード抵抗値です。A級シングル動作時であれば通常 2A3の場合カソード抵抗 Rk は 750Ω /6W 以上を使用しますが ±5%の抵抗器ですと 712.5Ω~787.5Ω の抵抗値許容範囲となり 計算値の抵抗値を比較しますとほぼ誤差内であり Rk 750Ω は適正値であると判断できます。部品レベルでの精度、真空管の個体差などの理由により 良品であっても 5~10% の測定誤差は発生します。発熱の多いカソード抵抗 750Ωは簡単に入手できませんね。比較的入手可能な 1.5KΩの抵抗2本を並列接続として使うことが多々発生します。


                           MEGURO AUTOMATIC DISTORTION METER MODEL MAK-6571A
最大出力歪率測定 1KHz 歪率3% 7V測定


上記の測定データーが試験装置より読み取りできました。⑤、⑧、⑨ がエミゲン状態と判断できます。以前プッシュプル回路での 真空管の組み合わせで失敗した原因は Ip は正常に流れるが出力が取れない真空管が混じっているためでした。 プッシュプルアンプでは バランス不良で歪が多く出力が取れない症状となります。この現象で悩みました。他の真空管であれば エミゲンすると電流が減少すると思い込み 自己判断で失敗しました。電流は流れるが出力がでない不良も存在するいうことです。
最大出力が揃っている真空管の グリッドバイアス電圧の違いが少ない真空管をペアリングの要素とします。

上記の測定結果に於いて 規格表に記載されている最大出力電力値が少なく表示されていますが 小生のアンプでは 歪率3% としているからです。規格表では3.5Wと記載されていますが 出力トランスの損失等も考慮しますと 3W強で正常と判断できます。歪率の値が変われば必然的に最大出力電力数値も変わります。

正常動作管での歪率違いによる 最大電力の数値

歪率 3% 出力電圧 7.0V  出力電力 3.1W
歪率 5% 出力電圧 7.5V  出力電力 3.5W 
歪率10% 出力電圧 8.0V  出力電力 4.0W

上記測定の結果となり 歪率5% では規格表に記載している表示となりました。実際にはトランスでの損失も結構ありますので 上記測定真空管は正常動作していると判断できます。


 正常動作管でのプレート電流違いによる 最大電力の数値

プレート電流 40mA Ep-k 265V 出力電圧 4.25V  出力電力 1.12W  歪率3%

プレート電流 50mA Ep-k 260V 出力電圧 5.75V  出力電力 2.66W  歪率3%

プレート電流 60mA Ep-k 250V 出力電圧 7.05V  出力電力 3.10W  歪率3%

プレート電流 70mA Ep-k 245V 出力電圧 7.60V  出力電力 3.61W  歪率3%

最大出力歪率測定 1KHz 歪率10% 8V測定

上記の測定結果より 規定値のプレート電流を流さないと 少ない電流の場合最大出力は低下します。反対に大きくすると電力も大きくなりますが 2A3 の最大プレート損失は15Wですので 入力電力を計算すると
W = I・E より W = 0.06A250V・ = 15W  と計算できます。A級増幅回路の損失は 無信号時には15Wがそのまま損失となり 入力電力は変わりません。最大出力時にはOPTより電力が外部に送出されるため 真空管での電力損失は少なくなります。A級増幅回路は 真空管にとって一番過酷な動作状態は 無信号時となります。
このような結果をグラフに記入しますとよく見る特性グラフ図となります。プロット数が多ければ詳細なデーターを得ることができます。ただ理屈もわからずグラフを眺めても詳細はわかりません。裏付けを取り理解することが大切です。

プレート電流が 70mA の場合は 入力電力は 17.15W となり 15Wの規格を超えています。その結果 真空管の寿命が短くなります。 真空管のプレート損失と多極管の場合にはスクリーングリッド損失の計算をして 規格表数値内になるように調整し 最大定格数値より大きくならないように動作させることが大切です。
電力を得るには真空管に電圧・電流を加えなければ(エネルギーを供給)大きな出力電力は得ることが出来ません。又使われる回路により動作状況を選択しなければなりません。

2A3 A級シングルアンプの場合を例にとりますと 出力3.5W を得るのに 真空管での合計消費電力値(W=I・E)は 無信号アイドリング動作時 250V×0.06A=15W ヒーター電力 2.5V×2.5A=6.25W 合計21.25W が消費されます。最大出力時にはプレート電流変化が少なく 15W-3.5W=11.5Wが消費され熱源となります。効率を計算してみますと 3.5W/21.25W =0.1647 16.5% の効率です。半導体回路と比較して効率は非常に悪い値となります。ヒーター電力値を加算しない場合は 23.3% です。

SQ38FD 50CA10三極管AB1プッシュプルの場合は無信号時アイドリング状態での入力電力値は 430V×0.1A=43Wに ヒーター電力 50V×0.175A×2本=17.5W 合計60.5Wが熱源として消費されます。最大出力時の入力電力値は 430V×0.18A=77.4W から出力された電力 出力30W を引いた値 47.4W とヒーター電力を加算すると 64.9W が熱源となります。同じく効率を計算してみますと 30/94.9=0.316 となり 効率は 31.6% の効率です。 A級シングルアンプに比較して良くなることがわかります。ヒーター電力値を加算しない場合は 38.8% です。 アイドリング動作時でも出力管からの熱源は合計約120Wが熱としてアンプから放出されており アンプ内部の放熱に気を配らなければなりません。

2A3 検体測定作業

負荷インピーダンスの変化による最大出力、歪率を 実験したいと思っていますが 出力インピーダンスを細かく変化できる設備ではありません。ただ二次側負荷抵抗値を可変して 一次側インピーダンスを変えることが可能ですが 詳細の測定するのに時間がかかりますので 今後の課題とします。必ず真空管には歪率、出力電力のバランスの良い適正な動作点が存在するはずです。それが規格表に記載されたDATAと理解しています。詳細をDATA.特性グラフから 机上で電気数学を使い解析できる諸先輩のような頭脳は持っておりません。算数程度しか計算出来ない凡人です。
今回測定に使用した 2A3 は ほとんどがGE製と思われます。有名なRCA製が数多くありますが RCAは商社が主であり真空管製造メーカーからのOEMで供給されていたかもしれません。電極構造、フィラメントの釣り方、電極保持用マイカ板の形状、フィラメントの赤熱具合を観察すると同じような明るさで動作します。手持ちの2A3の中で唯一国産旧川西機械製作所 後のTEN神戸工業製(現富士通テン)はフィラメントはコイルスプリングで釣られており フィラメントは暗く点灯します。保管しています 2A3 は全数2段プレート構造であり RCA製は直熱整流管の作りです。名ばかり有名になり 小生としては好む真空管ではありません。小生の真空管アンプ設計・製作技術が未熟が原因でしょうか。RCA 2A3 は基準管として良く扱われます。
国産製2A3マツダ製はロフチン・ホワイトアンプとして活躍しています。 今回検体とはなっておりません。2A3p-pアンプは EH 2A3gold一枚プレートを使用して動作しています。2A3フィラメント構造であり 残留ハムなどの障害が発生します。完全直流電源の 鉛蓄電池 A電源・B電源を使用した装置では別物ですが そのような環境は一般人には不可能な設備です。
作成した真空管試験機と正規の真空管試験機 DELICA 1001 型

2A3 は 銘球(迷球?) と呼ばれますが 小生の常用アンプとしては多用したくないアンプです。300Bp-pアンプも作成しましたが フィラメント構造の真空管は直流点火、交流点火ハム対策に苦慮します。 能率の良いスピーカーシステムでの運用には残留雑音の少ないシステムでなければなりません。
諸先輩方の記述より 2A3 出力管アンプは シングル、プッシュプルアンプを 多数作成していますが カソードのついた多極管三極管接続アンプが小生の場合常用システムとして活用しています。
小生に言わせれば LUX SQ38FD の出力管 50C-A10 は三極管ですが 内部構造を観察しますと ビーム4極管三極管接続の真空管です。純粋の三極管ではありません。上記記載事項は個人的な見解ですので参考程度と解釈ください。馬耳東風で結構です。道楽での解釈・能書きは 他人には押し付けるつもりはありません。これが道楽のルールです。現実には ・・・・・ を 押し付ける お偉い先生方 もおられます。個人名誉毀損となりますので あえて名指しはいたしません。ご了解ください。想像いただければ結構です。

まとめ

上記 2A3 を例として実働試験内容の説明をしてきましたが 出力管は動作状況により歪率、最大出力が動作環境により変化することがわかります。メーカーからの規格表には汎用A級動作DATAが明記されています。このデーターを元に試験装置で指定された動作環境が簡単にセッティングできます。又出力トランスも巻線比が判明していますので ユニバーサル出力トランスとして簡易的ですが動作環境を変化させて試験することができます。2.5KΩ対16Ωの巻線比は 12.5:1  8Ωは 17..7  4Ωは 25:1 となりますので 8Ω端子に 16Ω負荷を接続すると 一次側インピーダンス 5KΩとして測定することができます。
一次側インピーダンス (Z1 )= 巻数比(n)×巻数比(n)×二次側インピーダンス (Z2)  の公式により    Z1 = 17.7×17.7×16(Z2) = 5000Ω と計算できます。

TEN 2A2  RCA 2A3

この真空管試験器・装置を活用すれば多種多様の電力出力管の動作状況の試験・測定することが可能となります。現実には モノラルアンプとして動作しますので 好みの音楽を再生し常用スピーカーシステムを使って 音質を確認することが可能となりました。

特にプッシュプル回路の場合 真空管のバランスが崩れていますと 最大出力の低下、歪率増加が顕著に現れます。修復作業においては 真空管のペアリングが重要な要素となります。
現在はまだ数多くの電力出力管動作試験は実施していませんが LUX SQ38FD 改修作業時にはこの真空管試験器を使用して真空管を選別の結果 約40年前の機器ですが 初期スペックが確保されていました。




プッシュプルアンプの試験


真空管試験器のUS測定端子より外部へ出力

今回小電力プッシュプルアンプの実働試験に際し 真空管試験器の測定端子よりB電源とヒーター電源が簡単に取り出せるため バラックで組み立てた 6F6G三極管接続プッシュプルアンプの動作試験をしました。

バラックでテスト中のプッシュプルアンプ

以前組み立てたアンプのシャーシーのみを加工利用して 6F6G三極管接続アンプ の動作状況を試験するために本体側の測定端子の接続を一部変更して試験器が電源回路として使用します。変更箇所はB電圧測定端子に接続していた 1KΩ 1/4W の抵抗を 1Ω 1/4W の抵抗に2ヶ所変更。

実験後正式のアンプを作成において回路定数などを決定するためのバラックアンプです。電源出力としてはB電源が最大 DC400V,100mA 取り出せますので小出力プッシュプルアンプ程度の実験には実用になります。同じくヒーターAC6.3V,3A が真空管試験器のUSソケット測定端子より取り出せます。バラックで組み立てたアンプの接続はUSプラグを取り付けバラック回路にはターミナル接続とします。


1KHz Input 400mV THD 3% 16Ω負荷 9.4V  5.55W No NFB


実験の結果 6F6G(42相当管) は真空管自体の設計が古くドライブ電圧が大きく 6BQ5,6CA7などのような高感度の真空管と違いドライブ回路設計に注意が必要です。今回 6J5GTW を使ったリークムラード位相反転回路で実験しましたが 通常のアンプより感度が悪く入力回路の真空管を変更して再度実験しました。(6267/EF86三極管接続に変更)




THD 10% スイッチング歪を観測


実験に使った出力トランスは タムラ F486 10Kp-p 15W のトランスで試験しました。
真空管規格表から 6F6G三極管接続 AB2 p-p 回路の実験です。規格表にありました最大出力電力値 9W THD3% は観測できず 6W弱 となり DATAと一致しませんでした。 今後相違点の原因、詳細を調査予定です。試験回路がパワードライブとなっていないための結果かもしれません。B級ではグリッド電圧がが正電圧となり グリッド電流が流れるパワードライブです。


-20dB 10KHz NFB4.5dB


古い書籍等で確認しましたが 有名な 6F6パラプッシュ のオルソンアンプでも最大出力が10W弱程度であり RCA真空管規格表の 三極管接続AB2p-p カソードバイアス時9W の数値はおかしいと思います。三極管接続の特性グラフから考察しても疑問があります。

後日古い書籍により やはりAB2P-Pはドライバートランスによるパワードライブと判明しました。


実験の結果AB2回路であれば最大出力時には スイッチング歪が観察できます。3%歪での最大電力値は16Ω負荷で9.4Vとなり 出力電力値は 5.5Wとなりました。スイッチング歪のため通常のAB1増幅回路に比較して上下波形歪が少ないですが波形中心部に発生するスイッチング歪みにより観測波形が違います。オルソンアンプではNFB回路はあまり好ましくないようです。無帰還アンプとして使用がベストと思われます。もう少しカソード抵抗値を低くしてアイドリング電流を増やし AB1又はA級に近づいた運転実験をしました。最大電力値は低下すると考察。予測では4~5W前後と思い実験しました。


-20dB 10KHz NFB2.2dB

Drオルソンアンプの内容を確認しますと パラブッシュで8W強であり 無帰還アンプです。古い書籍での トライオード接続AB1P-P Ep=350V Eg=-40V 最大電力は 5.4W と記憶にあります。この値であれば小生が実験したDATAと類似します。裏付けとなる規格表は見つけ出せません。RCA受信管規格表の表示もおかしく 国内各社の規格表も同じ表示であり悩んでいます。AB2P-Pの表記ばかりです。
又当時の動作例の記述も見つからず CR結合とは違い インプットトランスを使用した電力ドライブする回路であったかもしれません。現在実験をする 良質のインプットトランス手持ちがありません。


-20dB 10KHz NO NFB

オルソンアンプのパラプッシュから変形して プッシュプル回路の実験をしました。三極管接続であり THD3%での出力は5.55Wを観測。10KHzの波形は NFBを何も施さない無帰還アンプの方がリンギングが少なくなりました。軽いNFBを施しても低域のサグは改善されますが高域はNFB無しでも十分な高域特性となりました。Ep-k 340V Ik30mA×2 RK300Ω Ek36.5V




古典アンプでは無帰還アンプでも十分実用になる事が判明した実験です。
初段管は 6267/EF86 に変更しました。多少感度は高まりましたが大きな変化は見受けられません。

後日の古い書籍に三極管接続AB1P-Pの真空管規格表が見つかりました。最大出力は5.5Wであり負荷インピーダンスは7KΩと判明しました。資料編の真空管規格表に数値を追記しました。実験とほぼ同じような動作が確認取れました。
5極管接続ではAB2P-P回路であればカソードバイアスでも約20W弱の出力が得られますが その当時のPAアンプとして使用されたようです。

NFB抵抗 10KΩ 4.5dB 22KΩ 2.2dB となりました。入力電圧は400mVで最大電力5.5Wを観測しました。小生のシステムでは 0.775Vrms(0dBm)で最大電力となるように各機器のレベルを揃えます。

真空管試験器を使ってのプッシュプル回路実働試験中

1000Hz 1W出力時の THDは 0.2% 2W出力時は 0.58% となり 無帰還アンプとして実用になる特性です。強度のNFBアンプとは違い 古典的な ソフトディストーションのアンプです。強度のNFBを使ったウイリアムソンアンプに比較して周波数特性は悪いですが 家庭内使用では問題は少ないと思います。

Dr.オルソンアンプ開発時には RCA LC-1A スピーカー12台を使ってボストン交響楽団との 生演奏と録音再生を切り替え 実験でいつ切り替えたが分からない優秀なシステムでした。動作状況として 5W出力前後での動作であり 歪が少ない回路構成の無帰還アンプてす。大きなホール(横73m、縦61m、天井高さ12m)でありながら スピーカー12台にアンプが一台ずつ? 駆動したとしても 総合電力値は 5W×12台=60W前後で動作していたと考察できます。最大でも100W弱です。現在のPAによるコンサートではKWの出力です。いかに当時開発された スピーカーの能率が良い と思われます。再生される音圧、聴感レベル調整で実験成功した事例です。音響工学の真髄と思います。
ほかの文献によるとアンプは一台しか作成されず それであれば生演奏と再生された音とのすり替えにおいて 出力が10W未満での実験と思います。50年以上経過しており 実際の実験について詳細は不明です。その後のアンプ設計に多くの影響があったのは確かです。すべて ローμ の三極真空管(6J5,6SN7)を使用していました。
その後 LC-1Aのスピーカーはアメリカでの FM放送局モニタースピーカーとして多用されました。(1947年7月の出来事)

オルソンアンプ回路図については ほかの文献等を閲覧してください。





無銭庵 仙人の 独り言

道楽で収集した骨董品 ガラクタ測定器類 収納ラック

この道楽においては 測定機器を使用して改修・修復・調整をしますが 測定機器 が校正されていないと正確な測定及び比較、判断が出来ません。しかし人間測定器も重要なファクターです。
心地良い音楽鑑賞は快適なお昼寝ができます。そのためには最終完成検査と完成度の判断は人間です。時には 妥協という強力な判断 があります。特性ばかり追求しても改善とならない場合も多々あります。測定機器はあくまでも補助的な数値の表記です。道楽の世界においては 深追いは ドツボ にハマります。ご注意を !!!!!。
道楽にお金をかけるのも道としてはありますが 小生のような ガラクタを用いてあまりお金を使わす ケチケチの道楽も存在します。





所有しています真空管アンプ出力管として使えそうな真空管の掲載

小生が把握している範囲内の記述であり誤記載があるかもしれません。ご勘弁を。以前から活用していました古い紙の資料は 多種類に分散されバラバラの資料となっております。今回必要と思われる項目を収集しましたが なかなか三極管接続でのDATAが乏しく 苦労しました。寄せ集めとなりますので 工作前には正規の真空管規格表を確認する必要があると思います。参考程度の資料とお考えください。

又送信管を使ったアンプも作成していますが 小生の好みである 三極管、多極管の三極管接続を目的としていますので 掲載は除外しています。ラシオ管、受信管と呼ばれる真空管がほとんどです。
現在でも国内市場には 輸入品の新品、未使用新古品、中古品などが流通しています。ただし 6L6系(UY 807,1625) はトッププレートの真空管しか所有しておらず掲載していません。6L6系の小型が 6V6系 ビーム出力管は受信管の分類ですので掲載しました。

真空管規格表には様々なDATAが記載されていますが 小生の必要と思われる項目を主に記載しています。又真空管の三定数 μ = gm・rp の公式も思い出してください。この3定数の内 2つが判明すれば上記の公式より 真空管の三定数が計算できます。

古い資料の中で単位の表示が異なるものもありました。古くから Gm (相互コンダクタンス) の単位は オーム記号の逆である モー mhos) の表示ですが 資料により S (ジーメンス)で表示されている場合があります。全高調波歪率を KF で記載された資料もあります。 今回は THD (Total Harmonic Distortion)で表示しました。一応記載単位は統一して記入したつもりです。
資料により不明な箇所は - で数値は入れていません。記載間違いなどは時々判明した箇所を随時変更修正する予定です。真空管というデバイスも骨董品であれば紙の資料も骨董品です。

今回デジタルデーターとして資料を作成しました。規格表の中の数字でグリッドバイアス電圧値が表記されている場合は 電流値と電圧値より 簡単にカソードバイアス抵抗が計算できます。ここで言う Ep とは プレートとカソード間の電圧を表示します。カソード電圧はグリッドがグリッドリーク抵抗により直流的に接地となっていますので カソードから見ればグリッドは負電圧のバイアス電圧となります。
ドライブ電圧についても p-p (尖頭値・peak to peak)  と rms (実効値) 表示がありますが 141Vp-pの値は rms に変換する場合には 141/2・√2 で計算すると 50Vrms と変換できます。
逆に rms を p-p に変換する場合は 逆の計算をすれば計算できます。p-p の値は ほぼバイアス電圧になっています。A級増幅回路ではグリッドをプラス電圧のパワードライブはしません。
詳しくは他の書籍等で シングル増幅回路、プッシュプル増幅回路の A級、AB1級 動作点における特性グラフ図を参照してください。バイアスの高い動作ほど ドライブする電圧も必然的に大きくなります。この真空管試験器では ドライブ電圧が大きく取れる SRPP 2段増幅回路となったわけです。
プッシュプル回路での出力管ドライブ電圧は 両グリッド間でのドライブ電圧の表示となります。これらの規格表の数値が理解すれば ドライブ段での出力電圧が判明します。 特にプッシュプル回路での位相反転回路をどのように作るか で設計する人の好みがわかります。位相反転回路も様々あります。回路構成により 長所・短所があり どのような回路にするかで 使用部品も真空管の数も回路により変化します。

真空管掲載順序

2A3  6550  6550A  6CA7/EL34  6GB8  R120  6AS7G  6080  6082  WE421A  5998  5998A  6F6  6F6G  6Y6G  6G6G  6V6  6V6GTY等 6CK4  50CA10  6CW5  6BQ5  6RA2  6RA3  6EW7  6S4A  6AQ5  6AR5

300B,KT88 は所有しておりますが CHINA 製です。姿写真、規格表は記載していません。

プッシュプル回路においての電流値は真空管2本分の表示です。真空管単体の電流値は半分となります。Max Plate Volts・Watts の表示は最大プレート電圧とプレート損失(Plate Dissipation)を表示します。5極管、ビーム管は 第2グリッド(スクリーングリッド) も同様に電圧と損失を表示します。三極管接続の場合はプレート電流とスクリーングリッド電流の合計がプレート電流となりますので 規格表にプレート損失として記載されている場合もありますが 各プレート損失とスクリーングリッド損失を調査しなければならない真空管もあります。

2A3   RCA  TEN  GE

2A3  Power Amplifier Triode

Max Plate Volts・Watts 300V 15W
Filament Volts・Amp  2.5V  2.5A

ClassA Cathode Bias
Ep                         250V
Ip                            60mA
Eg                          -45V
Rk                          750Ω
Out Put Power          3.5W
Load Resistance      2.5KΩ
THD                          5%
Base Connection         4D
Gm                       5250μmhos
rp                         800Ω
μ Factor                 4.2

Rg            Fix  0.05M Ω         Cat  0.5MΩ

2A3  Triode  Push-Pull ClassAB1P-P                     
Cathode Bias
Max Plate Volts・Watts   300V 15W
Ep                             300V
2A3
Rk                              780Ω
Ip                                 80mA(2Tubes)Max 100mA
Peak AF Grid Voltage       156Vp-p
Load Resistance          5.0KΩ
Out Put Power               10W
THD                            5%

2A3  Triode  Push-Pull ClassAB1P-P
Fixed Bias
Max Plate Volts・Watts   300V 15W
Ep                             300V
Eg                                -60V
Rg                                50KΩMax
Ip                                 80mA(2Tubes)Max 147mA
Peak AF Grid Voltage       124Vp-p
Load Resistance          3.0KΩ
Out Put Power                15W
THD                           2.5%


 6550A  Beam Power Amplifier
TUNG-SOl 6550  GE 6550A  NEC 6CA7

Max Plate Volts・Watts 600V 42W
Max Screen Volts・Watts 440V 6.0W
Filament Volts・Amp  6.3V  1.8A

ClassA
Ep      400V     Esg   225V
Ip        87mA   Isg     4.0mA
Ip       105mA   Isg     18mA Max
Eg                         -16.5V
Rk                           -Ω
Out Put Power          20W
Load Resistance       3.0KΩ
THD                        13.5%
Base Connection         7AC
Gm                      9000μmhos
rp                         27KΩ



 6550  Beam Power Amplifier

Max Plate Volts・Watts 600V 35W
Max Screen Volts・Watts 400V 6.0W
Filament Volts・Amp  6.3V  1.6A
Triord Connection         450V 40W

ClassA
Ep      400V     Esg   225V
Ip        87mA   Isg     4.0mA
Ip       105mA   Isg      18mA Max
Eg                         -16.5V
Rk                           -Ω
Out Put Power          20W
Load Resistance       3.0KΩ
THD                         -%
Base Connection         7S⇒7AC
Gm                      9000μmhos
rp                         27KΩ

6550 Triode Connection

ClassA
Ep                            400V  
Eg                         -37.5V
Rk                           -Ω
Out Put Power          7.5W
Load Resistance       3..5KΩ
THD                         -%
μ Factor                  8

6550A Triode Connection  Push-Pull ClassAB1P-P

Fixed Bias
Max Plate Volts・Watts   500V 42W
Ep                             450V
Eg                              -46V
Ik                               150mA(2Tubes)Max 220mA
Load Resistance          4.0KΩ
Out Put Power             28W
THD                             -%
6550A 6V6

6C-A7/EL34 Power Amplifier Pentode              
                                                                         
Max Plate Volts・Watts 800V 25W                                                                      
           
Max Screen Volts・Watts 425V 8.0W                      
Filament Volts・Amp  6.3V  1.5A                          
                                     
ClassA                                                              
Ep            250V     Esg   250V                
Ip              100mA   Isg     15mA                                
Rk                                  -Ω     
Eg                             -13.5V
Peak AF Grid Voltage      8.7Vrms
Out Put Power               11W
Load Resistance          2.0KΩ
THD                             10%
Base Connection            8EP
Gm                       12500μmhos
rp                          17000Ω

6C-A7/EL34  Triode Connection  Push-Pull ClassAB1P-P
6CA7/EL34
                                                                                                                             
Cathode Bias
Max Plate Volts・Watts   425V 25W
Ep                             400V
Rk                              220Ω
Ik                              130mA(2Tubes)Max 142mA
Peak AF Grid Voltage          44.0Vrms
Load Resistance          5.0KΩ
Out Put Power               16.5W
THD                             -%


6C-A7/EL34 Triode Connection ClassA

Cathode Bias
Ep                        350V
Rk                       370Ω
Ik                          70mA
Peak AF Grid Voltage    18.9Vrms
Load Resistance            3.0KΩ
Out Put Power          6.0W
THD                              8%

6G-B8  Beam Power Amplifier
Toshiba 6G-B8  DARIO R120

Max Plate Volts・Watts 800V 35W
Max Screen Volts・Watts 440V 10W
Filament Volts・Amp  6.3V  1.5A

ClassA
Ep      250V     Esg   250V
Ip       151mA   Isg     28mA
Eg                          -8V
Rk                          57Ω
AF Grid Voltage        5.6Vrms
Out Put Power          15W
Load Resistance    1600Ω
THD                         9.5%
Base Connection     7S⇒7AC
Gm                  20000μmhos
rp                         15KΩ



6G-B8  Triode Connection  Push-Pull ClassAB1P-P

Cathode Bias
Max Plate Volts・Watts        440V 35W
Ep                                 380V
Rk                                 100Ω
Ik                                 188mA(2Tubes)Max 204mA
AF Grid Voltage               14.3Vrms
Load Resistance           3.5KΩ
Out Put Power                18.5W
THD                             2.5%

R120  Power Amplifier Triode

Max Plate Volts・Watts 300V 15W
Filament Volts・Amp  6.3V  1.45A
                                                                                                                                     
ClassA Cathode Bias
Ep                         250V
Ip                            60mA
R120
Eg                          -35V
Rk                          600Ω
Out Put Power          3.5W
Load Resistance       2.5KΩ
THD                          -%
Base Connection         6Q
Gm                       6400μmhos
rp                         840Ω
μ Factor                 5.4


6AS7G Low-Mu Twin Triode
(6080)
Toshiba 6AS7G  RCA 6082  RCA 6080

DC Amplifier Triode
Max Plate Volts・Watts 250V 13W
Filament Volts・Amp  6.3V  2.5A

ClassA
Ep      135V     Esg      -V
Ip       135mA   Isg      -mA
Eg                            -V
Rk                        250Ω
Out Put Power           -W
Load Resistance         -KΩ
THD                          -%
Base Connection         8BD
Gm                     7000μmhos
rp                       280Ω
μ Factor                 2.0




6082 Low-Mu Twin Triode

DC Amplifier Triode
Max Plate Volts・Watts 250V13 W
Filament Volts・Amp  26.5V  0.6A
                                                                                       
ClassA
Ep                         135V  
Ip                          135mA
Eg                            -V
Rk                        250Ω
Out Put Power           -W
Load Resistance         -KΩ
THD                          -%
Base Connection         8BD
Gm                     7000μmhos
rp                       280Ω
μ Factor                 2.0


6080  Triode  Push-Pull ClassAB1P-P

Cathode Bias
Max Plate Volts・Watts   250V 13W
Ep                             250V
Rk                             1250Ω
Ip                                 50mA(1Tube)Max 52.5mA
Peak AF Grid Voltage          178Vrms
Load Resistance          6.0KΩ
Out Put Power               13.0W
THD                             -%
 Caution ! 注意 レギュレーター管は必ずユニットごとにカソード抵抗を使用すること             

WE-421A Low-Mu Twin Triode
WE 421A  TUNG-SOL  5998  GE 5998A

DC Amplifier Triode
Max Plate Volts・Watts 250V 13W
Filament Volts・Amp  6.3V  2.4A

ClassA
Ep                        110V  
Ip                         125mA
Eg                            -V
Rk                          65Ω
Out Put Power           -W
Load Resistance         -KΩ
THD                          -%
Base Connection         8BD
Gm                    20000μmhos
rp                       305Ω
μ Factor                 6.1




5998 Low-Mu Twin Triode

DC Amplifier Triode
Max Plate Volts・Watts 250V 13W
Filament Volts・Amp  6.3V  2.4A

ClassA
Ep      110V     Esg      -V
Ip       100mA   Isg      -mA
Eg                            -V
Rk                        105Ω
Out Put Power           -W
Load Resistance         -KΩ
THD                          -%
Base Connection         8BD
Gm                    15500μmhos
rp                       350Ω
μ Factor                 5.4

 
疑問がある数字ですが参考として記載します。

5998  Triode  Push-Pull ClassAB1P-P

(Fixed Bias  ?)
Max Plate Volts・Watts   315V 13W
Ep                             315V
Eg                                 -71V
Rk                                  -Ω
Ip                                 50mA(1Tube)Max 72mA
Peak AF Grid Voltage      100Vrms
Load Resistance         3.0KΩ
Out Put Power               18W
THD                            -%


5998A Low-Mu Twin Triode

DC Amplifier Triode
Max Plate Volts・Watts 275V 15W
Filament Volts・Amp  6.3V  2.4A

ClassA
Ep                         110V  
Ip                          100mA
Eg                            -V
Rk                        105Ω
Out Put Power           -W
Load Resistance         -KΩ
THD                          -%
Base Connection         8BD
Gm                    15500μmhos
rp                       350Ω
μ Factor                 5.4

6F6G  6F6(UZ-42)  Power Amplifier Pentode
Radiotoron 6F6G  GE 6F6

Max Plate Volts・Watts  375V 11W
Max Screen Volts・Watts 285V 3.75W
Filament Volts・Amp  6.3V  0.7A

ClassA
Ep      285V     Esg   285V
Ip        38mA   Isg     7.0mA
Eg                          -20V
Rk                           -Ω
Out Put Power          4.8W
Load Resistance       7.0KΩ
THD                         -%
Base Connection    7S⇒7AC
Gm                     2500μmhos
rp                       80KΩ



6F6G  6F6  Triode Connection  Push-Pull Class AB2P-P

Cathode Bias 
Max Plate Volts・Watts       350V 10W
Ep                                 350V
Eg                                      -V
Rk                                 730Ω
Ik                                  50mA(2Tubes)Max 60mA
Peak AF Grid Voltage       123Vp-p
Load Resistance             10KΩ
Out Put Power                  9W
THD                                3%


6F6G  6F6  Triode Connection  Push-Pull Class AB2P-P

Fixed Bias 
Max Plate Volts・Watts       350V 10W
Ep                                 350V
Eg                                      -38V
Rk                                 -Ω
Ik                                 48mA(2Tubes)Max 92mA
Peak AF Grid Voltage       88Vrms
Load Resistance             6KΩ
Out Put Power                  13W
THD                                2%


6F6G  6F6  Triode Connection  Push-Pull Class AB1P-P

Cathode Bias 
Max Plate Volts・Watts       350V 10W
Ep                                 280V
Eg                                      -V
Rk                                 700Ω
Ik                                  39mA(2Tubes)Max 44mA
Peak AF Grid Voltage       42Vrms
Load Resistance             7KΩ
Out Put Power                   5.5W
THD                                -


6F6G  6F6  Triode Connection   Class A

Cathode Bias
Max Plate Volts・Watts        350V 10W
Ep                                  250V
Rk                                  650Ω
Ik                                   31mA Max  32mA
Peak AF Grid Voltage            14V
Load Resistance             4KΩ
Out Put Power                   0.8W
THD                               6.5%

6F6G  6F6  Triode Connection   Class A

Fixed Bias
Max Plate Volts・Watts    350V 10W
Ep                              250V
Eg                               -20V
Ik                                31mA Msax  34mA
Rg                                 100KΩ
Peak AF Grid Voltage          14V
rp                                  2600Ω
gm                                 2600μmhos
μ Factor                          6.8
Load Resistance           4KΩ
Out Put Power                0.85W
THD                            6.5%


6Y6G   Beam Power Amplifier
Sylvania 6Y6G KEN-RAD 6G6G(VT198A)

Max Plate Volts・Watts  200V 12.5W
Max Screen Volts・Watts 200V 1.75W
Filament Volts・Amp  6.3V 1.25A

ClassA
Ep      200V     Esg   135V
Ip        61mA   Isg     2.2mA
Eg                          -14V
Rk                           -Ω
Out Put Power          6.0W
Load Resistance       7.0KΩ
THD                         -%
Base Connection        7AC
Gm                     7100μmhos
rp                       18.3KΩ



6G6G Power Amplifier Pentode

Max Plate Volts・Watts   300V  2.75W
Max Screen Volts・Watts 300V 0.75W
Filament Volts・Amp       6.3V  0.15A

ClassA
Ep      180V     Esg   180V
Ip        15mA   Isg     2.5mA
Eg                           -9V
Rk                           -Ω
Out Put Power          1.1W
Load Resistance        10KΩ
THD                         -%
Base Connection      7S⇒7AC
Gm                     7500μmhos
rp                        10KΩ


6V Beam Power Amplifier
6V6GT,6V6GTA,6V6GTY
RCA 6V6  PhilipsECG 6V6GT  Sylvania 6V6GTY

Max Plate Volts・Watts  350V 14W
Max Screen Volts・Watts 315V 2.2W
Filament Volts・Amp  6.3V  0.45A

ClassA
Ep      315V     Esg   225V
Ip        34mA   Isg     2.2mA
Eg                          -13V
Rk                           -Ω
Out Put Power          5.5W
Load Resistance       8.5KΩ
THD                         -%
Base Connection        7AC
Gm                     3570μmhos
rp                        77KΩ



6V6 Triode Connection  Push-Pull Class AB1P-P
Syivania 6V6GT/G(VT-107-A)  6V6GT  KEN-RAD 6V6GT

Cathode Bias
Max Plate Volts・Watts 315V 14W
Ep                     300V
Rk                        350Ω
Ik                       65mA(2Tubes)
Peak AF Grid Voltage  35.6Vrms
Load Resistance       5KΩ
Out Put Power          4.4W
THD                         -%


6CK4  Vertical Amplifier Triode
Zenith 6CK4

Max Plate Volts・Watts 550V 12W
Filament Volts・Amp  6.3V  1.25A

ClassA
Ep                         250V
Ip                            40mA
Eg                          -28V
Rk                            -Ω
Out Put Power            -W
Load Resistance         -KΩ
THD                          -%
Base Connection         8JB
Gm                       5500μmhos
rp                       1200Ω
μ Factor                 6.6


6CK4



                                                                                                   











50C-A10  Power Amplifier Triode
LUXMAN 50C-A10  NEC 50C-A10

Max Plate Volts・Watts 450V 30W
Filamolts・Amp  50V  0175A

ClassA Fixed Bias
Ep                          250V
Ip           80mA Max 95mA
Eg                          -22V
Peak AF Grid Voltage   15.5Vrms     
Out Put Power           6.0W
Load Resistance       1500Ω
THD                         7.5%
Gm                     14000μmhos
rp                         570Ω
μ Factor                 8.0




Base Connection  P-⑦  G-⑤,⑨  K-⑩  H-①,⑫
Rg            Fix  0.1M Ω         Cat  0.5MΩ
6C-A10  Filament Volts・Amp  6.3V  1.5A

50C-A10 (6C-A10)

ClassA Cathode Bias
Ep                             250V
Ip               90mA Max 95mA
Eg                               -V
Peak AF Grid Voltage   14Vrms
Rk                          200Ω
Out Put Power          5.5W
Load Resistance       1500Ω
THD                         7.0%

50C-A10 (6C-A10)

ClassA Fixed Bias
Ep                          250V
Ip           90mA Max 95mA
Eg                          -22V
Peak AF Grid Voltage   -Vrms     
Out Put Power          4.4W
Load Resistance     2500Ω
THD                         2.2%


50C-A10 (6C-A10)  Push-Pull ClassAB1P-P

Fixed Bias
Max Plate Volts・Watts   450V 30W
Ep                             400V
Eg                                -43V
Rk                                -Ω
Ip                              100mA(2Tubes)Max 180mA
Peak AF Grid Voltage         60Vrms
Load Resistance          5.0KΩ
Out Put Power                34W
THD                             -%


50C-A10 (6C-A10)  Push-Pull ClassAB1P-P

Fixed Bias
Max Plate Volts・Watts   450V 30W
Ep                             350V
Eg                                -37V
Rk                                -Ω
Ip                              100mA(2Tubes)Max 180mA
Peak AF Grid Voltage        52Vrms
Load Resistance          4.0KΩ
Out Put Power                28W
THD                             -%



50C-A10 (6C-A10)  Push-Pull ClassAB1P-P

Fixed Bias
Max Plate Volts・Watts   450V 30W
Ep                             300V
Eg                                -43V
Rk                                -Ω
Ip                              100mA(2Tubes)Max 180mA
Peak AF Grid Voltage         42Vrms
Load Resistance          3.2KΩ
Out Put Power                24W
THD                             -%


6CW5  Power Amplifier Pentode
NEC 6AR2   Toshiba 6AR3   HP 6CW5   WH 6BQ5

Max Plate Volts・Watts 275V 14W
Max Screen Volts・Watts 220V 2.1W
Filament Volts・Amp  6.3V  0.76A

ClassA Fixed Bias
Ep      170V     Esg   170V
Ip        70mA   Isg       5mA
Eg                         -12.5V
Rk                           -Ω
Out Put Power          5.6W
Load Resistance       2.4KΩ
THD                        10%
Base Connection         9CV
Gm                    10000μmhos
rp                       23KΩ




6BQ5  Power Amplifier Pentode

Max Plate Volts・Watts 300V 12W
Max Screen Volts・Watts 300V 2.1W
Filament Volts・Amp  6.3V  0.76A

ClassA Cathode Bias
Ep      250V     Esg   250V
Ip        48mA   Isg     5.5mA
Ip   Max 50.6mA   Isg Max 10mA
Eg                          -7.3V
Rk                         135Ω
Out Put Power          5.7W
Load Resistance       4.5KΩ
THD                         10%
Base Connection         9CV
Gm                    11300μmhos
rp                       38KΩ
μ Factor                 19

6BQ5  Triode Connection   Class A
                                                                                                       
Cathode Bias
Max Plate Volts・Watts        300V 12W
6BQ5  6CW5
Ep                                  250V
Eg                                     -9.2V
Rk                                  270Ω
Ik                                   34mA
Peak AF Grid Voltage             -V
Load Resistance              3.5KΩ
Out Put Power                  1.95W
THD                                 -%



6BQ5 Triode Connection  Push-Pull Class AB1P-P

Cathode Bias
Max Plate Volts・Watts     300V 12W
Ep                             300V
Rk                                 270Ω
Ik                                   48mA(2Tubes)Max 52mA
Peak AF Grid Voltage       28.2Vrms
Load Resistance              10KΩ
Out Put Power                5.2W
THD                             2.5%



6RA2  DC Amplifier Triode

Max Plate Volts・Watts 200V 15W
Filament Volts・Amp      6.3V  0.7A

ClassA Cathode Bias
Ep                         150V
Ip                           100mA
Eg                          -31V
Rk                            -Ω
Out Put Power          2.7W
Load Resistance       750Ω
THD                          -%
Base Connection   P-⑨,G-③:⑥,K-②,H-④:⑤      
Gm                       8500μmhos
rp                         440Ω
μ Factor                 3.3




6RA3  DC Amplifier Triode

Max Plate Volts・Watts 250V 15W
Filament Volts・Amp      6.3V  1.0A
                                                                                                   
6EW7
ClassA
Ep                          130V
Ip                            88mA Max128mA
Eg                          -30V
Rk                            -Ω
Out Put Power          3.9W
Load Resistance       600Ω
THD                         11%
Base Connection   P-①,G-⑧,K-⑨,H-⑤:⑥
Gm                      10400μmhos
rp                         300Ω
μ Factor                 3.1



6EW7  Vertical Amplifier Triode
            double Triode
NEC 6EW7  TUNG-SOL 6S4A   Matushita 6AQ5   NEC 6AR5

Max Plate Volts・Watts 330V 10W
Filament Volts・Amp  6.3V  0.9A

ClassA
Ep                         150V
Ip                            45mA
Eg                          -17.5V
Rk                            -Ω
Out Put Power            -W
Load Resistance         -KΩ
THD                          -%
Base Connection         9HF
Gm                       2000μmhos
rp                       800Ω
μ Factor               17.5




6S4A

 6S4A  Vertical Amplifier Triode

Max Plate Volts・Watts 550V 8.5W
Filament Volts・Amp  6.3V  0.6A
                                                                                                                   
ClassA
Ep                          250V
Ip                             24mA
Eg                            -8V
Rk                            -Ω
Out Put Power           -W
Load Resistance        -KΩ
THD                         -%
6AQ5
Base Connection        9AC
Gm                       4500μmhos
rp                      3700Ω
μ Factor               16.5

6AQ5   Beam Power Amplifier
                                                                                                         
                                                 
Max Plate Volts・Watts 275V 12W
Max Screen Volts・Watts 275V 2.0W
Filament Volts・Amp  6.3V  0.45A

ClassA Fixed Bias
Ep      250V     Esg   250V
Ip        45mA   Isg     4.5mA
Eg                         -12.5V
Rk                           -Ω
Out Put Power          4.5W
Load Resistance       5.0KΩ
THD                         8%
Base Connection         7BZ
Gm                     3700μmhos
rp                       52KΩ

6AQ5  Triode Connection  Class A

Max Plate Volts・Watts 275V 10W

ClassA Fixed Bias
Ep                            250V  
Ik                            49.5mA
Eg                         -12.5V
Rk                            -Ω
Out Put Power            -W
Load Resistance          -Ω
THD                          -%
Base Connection         7BZ
Gm                     4800μmhos
rp                       1970Ω
μ Factor                7.9

6AR5  Power Amplifier Pentode

Max Plate Volts・Watts 250V 8.5W
Max Screen Volts・Watts 250V 2.5W
Filament Volts・Amp  6.3V  0.4A
                                                                                                   
ClassA Fixed Bias
Ep      250V     Esg   250V
6AR5
Ip        32mA   Isg     5.5mA
Eg                         -18.0V
Rk                           -Ω
Out Put Power          3.4W
Load Resistance       7.6KΩ
THD                         11%
Base Connection         6CC
Gm                     2300μmhos
rp                       68KΩ


6AR5  Triode Connection  Class A

Max Plate Volts・Watts 250V 8.5W

ClassA Fixed Bias
Ep                             250V
Ip                              24mA
Eg                            -24V
Rk                              -Ω
Out Put Power             0.9W
Load Resistance           4.0KΩ
THD                             -%
Base Connection           -
Gm                             -μmhos
rp                              -Ω
μ Factor                    -


現在所有しています出力管のDATAを記載しました。多種多様の資料から引き出しましたので 記載内容が資料により違っていました。同じ真空管でもDATA内容が若干違っていました。なるべく 他の資料と比較して修正したつもりですが 古典的な道楽であり過去のデバイスを現在でも活用するためには問題が潜んでいると思います。

古典的な真空管というデバイスを使って 工作するとき 多少とも資料として参考になればと思い作成しました。
ブログとは忘備録と解釈していますので バラバラになった昔からの資料整理でこのブログを作成しました。次回作成する真空管アンプのための資料です。現在においては 出力トランス、電源トランスなどが高額となり 真空管用部品も手に入りにくくなっており この道楽がいつまで続くかは不明です。

粗大ごみとなるデバイスを使った工作も現在の半導体アンプにない独特の音質で音楽鑑賞ができます。過去からの経験を元に記述していますので記憶間違い、解釈違いがあると思いますが多少とも 真空管アンプの理解につながれば幸いです。

他のブログも含め 掲載内容は随時更新をしています。



DELICA DYNAMIC Gm TUBE TESTER MODEL 1001 添付されていました資料の掲載


















真空管姿画像で真空管が円形の飾り台に乗っている姿を撮影していましたが この飾り台の正体は判明しましたでしょうか。

回答

真空管アンブ作成時アルミシャーシー加工の時発生したものです。トランス取り付け穴・通風穴・真空管ソケット取り付け穴など開口に使用したホルソーで抜き取った円形のアルミディスクです。そのディスクをシャーシーパンチで開口部を拡大した 廃棄物で作成した廃物利用の真空管飾り台です。



最後の項目まで閲覧いただき ありがとうございました。多少とも参考となりましたでしょうか。古典的なデバイスですが活用いただければ幸いです。

by musenan sennin


10 件のコメント:

  1. Hello , is it possible to post/mail the complete manual for the Delica 1001 tube tester?

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  2. こんにちは。デリカ 1001 チューブ テスターの完全なマニュアルをアップロード/送信することは可能ですか?
    敬具

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    1. HELLO MY FRIEND.
      I WANT THE TUBE DATA FOR DELICA 1001 TUBE TESTER.
      THANK YOU
      THEODORE STINIS

      削除
    2. HELLO MY FRIEND.
      I WANT THE TUBE DATA FOR Delica 1001 Tube Tester.
      THANK YOU
      THEODORE STINIS
      ATHENS GREECE

      削除
    3. お待たせしました 
      新規ブログとして DELICA TUBE TESTER MODEL 1001 として資料等を公開しましたので閲覧ください。製造後50年以上経過していますが参考となれば幸いです。
      musenan sennin

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  3. こんにちは
    この測定器は1965年7月製造です。当初付属していたであろう理論など記載された説明書は入手時(1980年代)不明でした。機器に添付されている取扱説明書およびデーター表のみです。取扱い項目についてはブログに掲載されているものだけであり 残りの掲載されていない項目は各種真空管データーです。

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  4. こんにちは
    翻訳して問い合わせ内容判明しました。
    ブログに掲載した真空管データーの残りをご希望のようですね。
    結構ページ数が多いため 原本を jpeg に変換しなければ投稿できませんので今しばらくお待ちください。
    by musenan sennin (無銭庵 仙人)

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  5. お待たせしました。Λάμπρος様
    新しく真空管試験機 DELICA TUBE TESTER MODEL 1001 の本体の説明および添付されていた DATA を jpeg に変換して記載しました。この機種は海外には数多く出回っていないと思いますが 何分骨董的な測定器であり参考としてください。
    by musenan sennin (無銭庵 仙人)

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  6. THANK YOU MY FRIEND.
    THEODORE STINIS

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